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フランスの不動産取引

フランスで居住目的、または投資目的で不動産(アパート、家、別荘、商事物件…)を購入する場合、どのような流れで売買契約が結ばれ、何に気を付けなければいけないか、また買った不動産に問題があった場合、どのような手続を取ればいいだろうか。業者や公証人が準備した契約書に署名する前に、不動産売買に関するフランス法の規則について十分な基礎知識を身につけ、買主としての権利を守ることが必要である。

I. フランスでの不動産売買の流れ
II. フランスにおける不動産取引で外国人が注意すべき点
III. フランスにおける不動産取引に関する訴訟手続

 

I. フランスでの不動産売買の流れ

 

フランスで不動産物件を探すには、地元の業者で問い合わせる、新聞や不動産誌(ex. フィガロ紙、Propriété de France誌など) やウェブサイト (ex. フランス不動産業者連盟 (FNAIM) で業者や所有者が出している不動産広告を閲覧するなどの方法があるが、買いたい物件を見つけてから所有者となるまでの流れは以下の通りである。

売買価格の交渉・合意 =>売主から買主候補者への物件に関する情報提供(各種書類の提出) =>仮契約の署名=>本契約の署名と代金の支払い=>不動産登記

以下それぞれの段階について詳しく説明する。


1) 売買価格の交渉

不動産を買う際に一番重要なのが、価格の交渉である。業者や所有者が不動産広告で記載している物件の価格はオファー価格であるので、必ずしもその価格で買わなければいけないわけではない。気に入った物件が見つかったら、物件の市場の価格や付随する設備の状態を場合により鑑定人に依頼して調査し、妥当と思われる(オファーの価格と同じまたはそれより低い)購入価格を設定した購入の提案(offre d’achat)を、売主に対して行う。

この売主に対する購入の提案は、正式にはレターオブインテント(lettre d’intention)という書面の形をとるが、通常物件の定義と買主候補者が提案する購入条件(価格)の他に、購入の提案の有効期限(売主が買主候補者の購入の提案をいつまでに受けなければいけないか)が記載される。

買主候補者が不動産広告の価格と同じ価格で購入の提案をした場合には、売主はその価格で提案を受けなければならない。一方買主候補者が不動産広告の価格より低い価格で購入の提案をした場合には、売主は当初の自分のオファーの価格に縛られず、それより高い価格で買主候補者にカウンタープロポーザルすることが可能である。

契約法上、売買契約は売買の対象が特定され売買代金が決まった時点、すなわち売主が買主候補者の購入の提案を受け入れた時点で成立するので、理論上、売主が提案を受諾した後は買主候補者は提案を取り消すことができない(=物件を買う義務が生じる)が、フランスでは建設住居法で不動産の買主候補者に売買の仮契約が署名されてから一定の熟慮期間が与えられている(=> 後述3))ため、実際上は買主候補者の購入の提案を売主が受け入れた後に買主候補者が物件の購入を取り消したとしても、売主は買主候補者に購入を強制することは不可能とされる。

2) 売主から買主候補者への物件に関する情報提供

当事者が売買価格について合意した後、仮契約を交わす前に必要なのが売主から買主候補者への物件に関する完全な情報提供である。

フランスの不動産法では、不動産売買において買主候補者が買おうとする物件に関する完全な情報を購入前に得られるよう、売主に対して厳しい情報提供義務が課されている
この売主から買主候補者に対する情報提供は義務的であり、提供された情報が誤っていたり不十分なものであった場合には、不動産の買主は売主の情報提供義務違反を理由として、売買契約の無効取り消し請求訴訟を提起することができる (=> 後述 III)。


不動産業者を交わす場合には業者を通じて、直接売主と売買契約を交渉する場合には売主が直接、買主候補者に提出しなければならない書類は以下の通りである。

- 技術的審査ファイル(Dossier de diagnostic technique, DDT):フランスでは不動産売買の際に、物件のエネルギー消費量やアスベスト(amiante)、鉛、シロアリ(termites)の有無、所在地域の天災(地震等)や水害のリスクの有無と度合い、内壁、空調の状態や床面積などに関する審査の結果に関する報告書の作成が義務付けられている。[サンプルを見る]

売主が不動産の技術的審査を行う資格のある専門の技術者に依頼して、不動産取引仲介業者、または買主候補者に直接提出する。

報告書の対象となる審査結果のうち、エネルギー消費量やアスベストの有無の審査結果は有効期限が3年であるが、シロアリの有無や所在地域の天災や水害のリスクの有無と度合いの審査結果は6か月と短いので、業者に提出してから買主候補者が見つかるまでに6か月以上かかる場合には、売主は再度技術者に報告書作成を依頼する必要がある。

売主が買主候補者に提出した技術審査報告書に書いてある物件の問題は買主候補者が合意したとされるので、注意が必要だ。物件の「隠れた瑕疵」(vice caché)とはならないので、買主は売主に対して後日瑕疵担保責任(=> 後述 III)を追及することができなくなる。

審査ファイルを作成する技術者は報告書の内容が間違っていた場合、依頼者である売主に対しては契約責任、売主から提出された報告書に基づいて物件の購入を決めた買主に対しては不法行為責任を負う。報告書には必ず資格番号と専門職業人賠償責任保険の番号が記載される。

- 総合住宅の管理に関する書類:アパートや商事物件を買う場合には、物件が所在する総合住宅の管理規約(règlement de copropriété)、区分の状態に関する書類(état descriptif de division)、管理組合の総会議事録過去3年分、管理費の予算に関する書類、その他総合住宅の管理に関する全ての書類(区分所有者が未払いの管理費、区分所有者に対する訴訟の有無など)。

- 売主が物件の所有者であることを証明する書類:不動産の権利書、固定資産税の支払い証明書など。

 

売主がこれらの書類を買主候補者に提出しない場合にはどうなるか?

フランスで不動産業者(agent immobilier)の資格証明書と資格番号を持った業者を仲介として不動産を購入する場合には、不動産業者は職業責任を負っているので、売主が提出を義務づけられているこれらの書類は必ず買主候補者に提出される。万一不動産業者がこれらの書類を提出しない場合には、業者の職業責任を追及することが可能である。

一方、資格のある仲介人を介さずに不動産を購入する場合(売主と直接売買交渉をする場合や、自称「コンサルタント」の無資格仲介人を介して交渉する場合)、買主候補者がこうした売主の情報提供義務を知らないことをいいことに、売主や無資格仲介人が買主候補者に売主が提出が義務づけられた書類を提出しないことがある(=>後述II)。

2014年3月24日の「住居を持つ権利と新しい都市計画に関する法律」(通称ALUR法)以降、これらの書類は必ず仮契約前に買主候補者に渡されるか、遅くとも仮契約書に添付されなければいけないことになっている。仮契約書にこれらの書類が添付されていない場合には、買主候補者の熟慮期間は起算されないため、買主候補者は仮契約に署名してもいつでも購入を取りやめることができ、売主は買主候補者から購入取りやめの違約金等の支払いを受けることはできない(建設住居法L721-2条)。

本契約に署名した後で物件の問題が発覚した場合には、買主は売主を相手取って情報提供義務違反による売買契約の無効請求訴訟、または瑕疵担保責任訴訟を提起することが可能である(=> 後述 III)。


3) 仮契約の署名

不動産売買において仮契約の署名は義務的ではないが、多くの場合本契約に先立って売買を約束する仮契約が作成される。

仮契約の種類

フランスの不動産売買で結ばれる仮契約には大きく分けて以下の4つのタイプがある:

1. 売主または買主候補者が売却または購入を相手方に約束するもの(Promesse unilatérale de vente / achat)
2. 売主と買主候補者の双方が売買を約束し、停止条件(=> 後述)が成立した場合に売買契約を交わす義務を負うもの(Promesse synallagmatique de vente valant vente)
3. 売主と買主候補者の双方が売買を約束するが、売買契約を交わす義務を負わないもの(Promesse synallagmatique de vente ne valant pas vente)
4. 不動産の所有者が、将来不動産を売却する場合にある者に対して優先的に売ることを約束するもの(Pacte de préférence)

1では特に売主が、期限をつけて物件を買主候補者に特定の価格で売却を約束する。買主候補者は物件を買い取る義務を負わないが、売主が定めた期限が経過後、物件を買い取るか否かの意思を表示しなければならない (=選択権の行使 « levée d’option ») と呼ばれる。買主候補者が買い取りの意思を表示した後で売主が別の買主に物件を売ってしまった場合、買い取りの意思を表示した買主候補者は売主に対して受けた損害の賠償を請求することができる。

2と3の売主と買主候補者双方が売買を約束する仮契約は、両者が売買の « promesse » をすることからフランス語で « Compromis de vente » と通称され、不動産売買で今日最も多く結ばれている仮契約の形態である。

停止条件 (condition suspensive)

停止条件とは、売主と買主候補者が不動産の売買契約を結ぶために満たさなければならない条件のことで、その条件が成立するまで契約が「停止」される。ほとんどの場合以下の停止条件が仮契約書に記載される:

• 買主候補者の銀行融資(住宅ローン、不動産投資ローン)の取り付け―買主候補者が銀行融資を受けられない場合には、売買契約は成立しない。買主候補者が銀行に申し込むローンの額、返済期間、利子率が停止条件の条項に記載される。

• 都市計画法で定められている不動産使用の制限が付けられた物件でないことの確認-そのような制限が加えられた物件であることが明らかになる場合には買主候補者は売買契約を取り消すことができる。

• 都市計画法で地方自治体に認められている優先的買取権(droit de préemption)が行使されないこと-フランスでは各地方自治体の都市計画上、地方自治体が買い取って公共の設備や建物を建設することが望ましい区域が定められている。売買契約の作成を担当する公証人は売られる不動産がこの区域に属するかを確認し、属する場合には市役所に売買の申告書(Déclaration d’intention d’aliéner, DIA)を提出しなければならない。地方自治体はDIAが提出してから2か月以内に買い取るか否かについて決定を下す。地方自治体が物件を買い取ることを決定する場合には、売買契約は成立しない。

• 居住物件で借主に認められている優先的買取権が行使されないこと-フランスの住居賃貸借(bail d’habitation)では、居住用のアパートを貸している場合、借主は借りているアパートの優先的買取権を持つ(住居賃貸借に関する1989年7月6日法15条)。所有者はアパートを買主候補者に売る前に借主にアパートを買い取るかを尋ね、借主が買い取る意思を表明する場合には、売買契約は成立しない。

• 不動産に抵当権が付されていないことの確認ー売ろうとする物件に抵当権が付されている場合には、売主は売買に先立って抵当権を抹消しないといけない。売主が抵当権が付されていないことを確認しない場合には、買主は売買契約を取り消すことができる。

通常停止条件の期間は2-3か月で、この期間内に仮契約書に記載された停止条件が全て成立すると、売主と買主候補者は公証人の前で本契約に署名する。

予約金 (indemnité d’immobilisation)

仮契約書では通常売価の10パーセントに相当する予約金の支払いが規定され、買主候補者は仮契約署名時に、物件の買い取りを予約する対価として売主に予約金を支払う。

予約金は不動産業者を介する場合には業者に、そうでない場合には本契約を作成する公証人に預けられ、後日本契約が署名される際に売価の頭金(acompte)として扱われる。
一方本契約が署名されない場合、それが買主候補者の責任による場合(例えば銀行融資を取り付けられない場合)には、返還されず売主に補償金として支払われる。一方買主候補者の責任によらない事情で本契約が署名されない場合(例えば売主が仮契約書署名後に気が変わりより高い売価で別のものに売ることにする場合や地方自治体が物件を買い取ることを決定する場合)には、予約金は業者または公証人から買主候補者に返還される。

違約金に関する条項 (clause pénale)

仮契約書では売主、買主候補者どちらかが売買を取り消す場合の違約金の支払いに関する条項が規定される。額の設定は自由であるが通常売価の10パーセントに相当する額である。

買主候補者の熟慮期間

フランスでは一般人の買主候補者を保護するために、仮契約の締結から10日間の熟慮期間が法律で定められている(建設住居法L271-1条)。この10日間の熟慮期間内に買主候補者が売買を取り消す場合には、買主候補者が支払った予約金は返還され、違約金に関する条項の適用はない。

この10日間の熟慮期間の規定は個人的、家族的な目的で不動産を買う者に適用され、商業目的で不動産を買う買主候補者には適用されない。


4) 本契約の署名と代金の支払い

仮契約で定められた期間内に停止条件が全て成立すると、売主と買主が公証人のもとで本契約に署名し、買主から売主に公証人を介して代金が支払われる。

フランスでは不動産を登記するためには公証人の作成した公正証書(acte authentique)による売買契約書が必要であり、当事者が作成した私署証書による売買契約書は登記所に受け付けられない。従って不動産の売買本契約は必ず公証人が作成し、公証人の介在のもと売主と買主により署名される。


5) 不動産登記

公証人は登記所で不動産売買の公示の手続を行う。買主は公証人の報酬の他に、登記公示税(taxe de publicité foncière)及び登録税(droit d’enregistrement)の税金を公証人に払い、公証人が登記所でこれら税金の支払いを行う。額は2018年現在不動産売価の4,5%である。


II. フランスにおける不動産取引で外国人が注意すべき点

フランスで不動産や営業権取引の仲介業は法律(1970 年1 月2 日の法律(通称HOGUET法))で規制されており、不動産業者(agent immobilier)の資格証明書と資格番号を持っている者、または不動産取引仲介の認可を受けた弁護士(avocat)しか⾏うことができない。
代理商(agent commercial)の身分の者は、資格証明書を持つ不動産業者から書面で依頼を受けた場合にのみ不動産取引の交渉に関わり、依頼した不動産業者からのみ報酬の支払いを受けることができる。不動産の所有者や売買・賃貸物件を探している者から直接委任を受けて不動産売買や賃貸仲介の報酬の支払いを受けることは法律で固く禁止されている。

不動産業者(agent immobilier)の資格を持つ業者の書類には全て、資格証番号と専門職業人賠償責任保険の保険者番号が記載されている。仲介人に依頼する場合には、不動産業者の資格を持っている者であることを確かめる必要があり、外国人向けに不動産取引の「コンサルタント」と自称し違法な仲介業を行っている無資格者の個人を介すことのないよう気を付ける必要がある。

無資格者の個人を介す場合のリスクは、法律で定められた手続き(例えば売主の情報提供義務)を踏まずに売買契約が交わされることであるが、後日買った物件に問題があることが明らかになる場合に、仲介人の過失で受けた損害の賠償を受けられないことである。

フランス法は不動産業者に専門職業人賠償責任保険に加入することを義務づけており、業者の過失で損害を受けた者は、過失をおかした業者本人だけでなく、その保険会社を相手取って損害賠償訴訟を起こすことができる。従って訴訟で勝てば必ず損害賠償の支払いを受けることができる。

一方無資格コンサルタントを介してその過失で損害を受けた場合には、職業責任を負っている資格者と違い過失の立証が難しく、また保険に加入していないため、たとえ訴訟で勝訴し裁判所が損害賠償を命じたとしても、そのコンサルタントに資産がなく支払不能である場合には、判決を執行して損害の賠償を受けることができない。

従って日本人コミュニティ向けの新聞等に広告を出している日本人の業者や「不動産コンサルタント」に依頼する場合には、フランスの不動産業者(agent immobilier)の資格証明書番号があるかをまず確認し、不動産コンサルタントを装い違法に売主や買主から手数料の支払いを受ける無資格者の個人に不動産取引の仲介を依頼することのないよう注意することが望ましい。

フランス法では不動産業者の資格を持たない者が不動産や営業権取引の仲介業を行い報酬の支払いを受ける場合の厳しい刑事的処罰を規定しており、そのような無資格コンサルタントによる不動産取引で損害を受けた場合には、刑事告訴が可能である(HOGUET法第14条、16条)。

 

 

III. フランスにおける不動産取引に関する訴訟手続

フランスで不動産取引にまつわる訴訟には、上記仲介業者に対する責任追及訴訟(民事、刑事)の他に、売主と買主との間の契約責任訴訟がある。売買契約で売主と買主それぞれが負う義務の不履行に関する責任追及のための訴訟には複数あるが、ここでは簡単に無効取消請求訴訟と瑕疵担保責任訴訟それぞれの訴訟の目的と手続を紹介する。

1) 無効取消請求訴訟

売買契約を取り消すための訴訟。例えば売主が情報提供義務に違反した場合や不十分、不正確な情報を買主候補者に提供した場合、売主が買主に虚偽の情報を提供した場合や重要な情報を隠していた場合などに、買主が不動産の売買契約を取り消す目的で売主に対して提起する。訴訟の時効は取り消し請求の理由となる事情が明らかになった時点(例えば買主が売主により提供された情報が虚偽であるとわかった日)から5年。

情報提供義務違反を理由とする訴訟の場合、立証義務は情報提供義務を負っていた売主にあり、買主は売主が情報提供義務に違反したことを証明する義務はない。具体的には、売主は買主に引き渡した書類に買主が不足していたと主張している情報が記載していることを、証拠を提出して証明する義務がある。

2) 瑕疵担保責任追及訴訟

売買契約の売主には欠陥のない物件を買主に引き渡す義務があるので、契約の対象となる不動産物件に「隠れた瑕疵」、すなわち売主から提供された情報に含まれず、通常の人間が見ても気づかない物件の欠陥が見つかる場合には、買主は売主の瑕疵担保責任(garantie des vices cachés)を理由に売買契約の解除、または購入代金の一部返還を請求して売主を訴えることができる。訴訟の時効は欠陥が見つかってから2年。

売主の瑕疵担保責任を追及するためには、買主(または住宅保険で買主を補償した保険会社)はその欠陥が物件を通常の用途を妨げるもので、売買契約時に「隠された」ものであったことを証明しなければならない。フランス最高裁の判例では、買主が一般個人の場合には、買主が物件の状態を購入に先立って調べ、仮契約締結の際に売主から提供された情報(特に技術的審査ファイル)にその欠陥が含まれていない場合には、たとえその欠陥が外から見えているものであっても、売買契約時に「隠された」ものであったことが推定されるとされ、一方買主がプロの投資家、業者、商人の資格を持つ者である場合には、欠陥が「隠された」ものであるためには実際に外から見えないものでなければならないとされている。

買主が売主に対して瑕疵担保責任追及訴訟を提起する場合、通常欠陥の性質とその発生時点を特定するための司法鑑定(expertise)をレフェレ(référé)で請求し、裁判所が任命した鑑定人による鑑定結果をもとに、売買契約の解除、または購入代金の一部返還を請求する本案訴訟を提起する。売主が買主に瑕疵担保責任の賠償として修理工事を申し出ても、買主はそれを受け入れる義務はなく、訴訟で売買契約の解除を請求することが可能である。

訴訟の効果

契約の無効は契約が有効となる条件(上の例では、買主の合意が完全なものであること)が欠けている場合、契約の解除は契約の一方の当事者が契約義務を果たさない場合に成立するが、その効果はほぼ同じである。不動産売買の無効取消請求、または瑕疵担保責任を理由とする解除請求が認められると、売買契約は契約時点に遡って取り消され、売主は買主に代金を、買主は売主に不動産物件を返還し、売主は買主が受けた損害(引っ越し代、公証人費用、登記費用…)を全額賠償しなければならない。訴訟手続には時間がかかるので判決が出るまで買主は問題の物件の所有者として物件を使用することになるが、フランス最高裁の判例では売主は買主に対して売買契約から不動産物件返還までの期間の使用料(補償金、家賃)や傷んだ設備の修理代などの支払いを請求することはできないとされている。

 

 

► HOGUET法

► ALUR法 (2014年3月24日の法律第2014-366号) : 住宅賃貸借制度の改正

► 不動産業者の倫理規則に関する2015年8月28日の政令

► ALUR法施行の政令

► PINEL法 (2014年6月18日の法律第2014-626号) : 商事賃貸借制度の改正

► PINEL法施行の政令