商法・契約法Q&A

継続的取引契約

Q : 弊社は、あるフランスの会社とフランス地域で弊社の商品を販売する契約を有期でこれまで複数締結しており、この会社は自社の名前で弊社商品を販売しています。現行の契約の終了をもってこの会社との取引を終わらせ、別の会社を通じて弊社商品をフランスで販売したいのですが問題はありませんか。

A : この会社との取引関係が長年にわたり継続した場合には、たとえ契約書に記載されていない場合でも、取引を終わらせる前に一定の期間を置いて取引終了の予告をする必要があります。この予告が行われない場合には、「継続的取引の突然の終了」(フランス商法L442-1条、旧L442-6, I, 5条)として不法行為責任が成立します。

Q : 取引は30年前から続いているのですが、取引終了の予告期間はどのくらいですか。

A : 判例によると、取引終了の予告期間は取引期間の長さだけではなく、終了を通知する時点での当事者の関係、例えば当事者の一方が他方に対して経済的に依存していたか、総代理店契約の有無、また終了される取引が取引を終了することで被害を受ける当事者の売上高で大きなパーセンテージを占めていたか、など様々な要素を考慮して決められ、いくつかの計算方法が判例と学説により提示されています。この点、独占禁止法の改正に関する2019年4月24日のオルドナンスは継続的取引の終了における予告期間に上限を設ける規定を商法に加えました。

Q : 取引の相手方が請求書の支払いを怠り、何度も催促していますが回答がありません。取引を終了したいのですが予告期間を置かなければなりませんか。

A : 取引の相手方が過失を犯したために取引を終了する場合には、予告期間は置く義務はありません。ただしフランスの最高裁である破棄院の判例によると、予告期間を置かずに継続的取引契約を終了するためには、契約の一方的な即時解除を正当化するほどの重大な過失の証拠があることが必要とされています(破棄院商事部、2011年5月11日判決、上告番号n°10-17844、2019年3月27日判決、上告番号n°17-16548)。

Q : 代理店契約を結んでいるメーカーから予告期間を置かない取引の終了を通知されました。一番大きなサプライヤーなので、弊社の事業に今後大きな影響があるのですが、どうしたらいいですか。

A :  破棄院の判例では、継続的取引の突然の終了は、レフェレの急速訴訟手続の要件の一つである「明らかに違法なトラブル」とされ(破棄院商事部、2015年6月23日判決、上告番号n°14-14687)、レフェレの手続で裁判所は取引の強制的継続を命じることができるとされています(破棄院商事部、2009年11月10日判決、上告番号n°08-18337、パリ控訴院、2019年1月24日判決、事件番号n°18/14599)。従って、サプライヤーに対して、一定の予告期間の間取引の強制的継続を請求するレフェレの訴訟を提起することが可能です。

代理商

Q : 弊社は、フランスの顧客と弊社製品の販売契約を交渉し、締結することを委任するパートナーシップ契約を現地のコンサルタントと結んでいるのですが、現状契約が終了する際に、このコンサルタントとの取引を終了することは可能ですか。

A :  当該コンサルタントが御社の名前でフランスの顧客と弊社製品の販売契約に関する交渉、契約締結をしている場合には、代理商 (agent commercial)として法律的に位置づけられます(フランス商法L 134-1条)。

代理商との契約を終了するためには以下の予告期間を置く必要があります(フランス商法L 134-11条):
- 契約1年目の終了-1か月
- 契約2年目の終了-2か月
- 契約3年目以上の終了-3か月

予告期間を置かずに代理商との委任契約を終了する場合には、代理商は予告期間中のコミッションに相当する補償金の支払いを請求することができます。

またフランス法では代理商の不安定な地位に鑑みて、代理商契約の終了時に、代理商は委任者に対して補償金を請求することができると規定しています(フランス商法L 134-12条)。ただし代理商の過失または意思で契約が終了する場合には代理商は補償金の支払いを請求できません(フランス商法L 134-13条)。

御社の取引をフランスで代理しているコンサルタントは、補償金の支払いを受けるためには取引が終了してから1年以内に補償金を請求することを御社に通知する必要があります(フランス商法L 134-12条)。

Q : このコンサルタントとの契約は5年続いているのですが、補償金の額はいくらですか。

A : 法律で補償金の算定方法は規定されていませんが、2年分のコミッションに相当する額の支払いが慣習として成立しています。