フランス最新法令
新型コロナ緊急対応策
  • Covid-19の影響に対応するための緊急措置に関する2020年6月17日の法律第2020-734号
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  • 緊急事態宣言の延長と補足的措置に関する2020年5月11日の法律第2020-546号
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  • 労働・雇用の分野で法定手続期限延長規則の適用を排除する2020年4月24日の政令第2020-471号
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  • Covid-19対策に伴う各種法的期限に関する2020年4月15日のオルドナンス第2020-427
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  • 一時失業(activité partielle)の緊急措置に関する2020年3月27日のオルドナンス第2020-346
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  • 一時失業(activité partielle)に関する2020年3月25日の政令第2020-325
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  • Covid-19対策のための2020年3月25日オルドナンス(25分野での施策)
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  • Covid-19緊急対応のための2020年3月23日法律第2020-290号
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  • 金融機関に国の保証を与える2020年3月23日の省令
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  • Covid-19感染リスクのある者に対する健康保険給付と遠隔医療負担に関する2020年3月9日の政令第2020-227号
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  • Covid-19感染リスクのある者に対する健康保険給付に関する2020年1月31日の政令第2020-73号
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民事訴訟法の改正
  • 民事訴訟法改正に関する2019年12月11日政令第2019-1333号
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集合住宅管理法の改正
  • 集合住宅管理法の改正に関する2019年10月30日のオルドナンス
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競争法の改正
  • 商法第四編第4の改正に関する2019年4月24日のオルドナンス第2019-359
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労働法

新型コロナウイルス(Covid-19)緊急対策法

Q : 2020年3月16日から外出制限措置の適用で、フランス支店での営業を一時停止せざるを得なくなりました。社員の給与を支払うにあたって国の補助が出ると聞いたのですが、補助金を受けるにはどのようにすればいいですか。

A : 経済的困難の状況にある企業に適用される、フランス労働法の「一時的失業」 (chômage partiel / activité partielle) の措置を取れば、社員の給与額に相当する額の補償金を国から受けることができます (フランス労働法R 5122-1条)。

一時的失業の措置を取るためには、まず社員全員にそのことを報告する必要があります。社員数が50人以上の企業では、労働経済委員会(comité social et économique、CSE)に諮問して書面の意見を取る必要がありますが、CSEは雇用者の決定を拒否することはできません。

従来、経済的困難の状況にある企業で雇用者が社員の一時的失業の措置を取る場合、事前に休業する店舗・施設がある場所を管轄する労働局で許可を申請し、労働局の回答を15日間待ってから社員を一時失業に置く義務がありました。

2020年3月より、新型コロナウイルス (COVID-19)の感染拡大に伴う緊急対応策として、フランス政府は一時的失業に関する労働法の規定を改定し、以降雇用者は15日の労働局の回答期間を待たずに直ちに社員の一時失業措置を取ることができるようになりました。雇用者は社員の一時失業措置を取った後30日以内に許可申請手続を労働省のウェブサイト(activitepartielle.emploi.gouv.fr)で行うことができるようになっています(一時失業に関する2020年3月25日の政令第2020-325号)。

一時的失業措置が取られている期間中、社員は雇用者からグロスの給与の7割(ネットの給与の約8割)に相当する補償金を支払われ、雇用者は国と失業保険機構(Unédic)から社員に支払った補償金を返金されます。

企業の一時的失業が認められる期間は通常6か月(1度だけ更新可能)ですが、新型コロナウイルス緊急法の適用により制定された2020年3月25日の政令で、雇用者は最高同政令が公示された日から12か月間、すなわち2021年3月26日まで社員の一時失業措置を取ることができるようになっています(労働法R5122-9条)。

Q : 2020年3月16日から自宅勤務(télétravail)をしていますが、雇用者に来週から1週間有給を取れと言われました。今バカンスを取りたい時期ではないのですが、雇用者の指示に従って有給を取らなければいけませんか。

A :  新型コロナウイルス緊急法の適用により2020年3月25日に採択された"有給休暇、労働時間及び休日に関する緊急措置に関するオルドナンス"第2020-323号で、雇用者は産業間または企業内合意がある条件で、労働者に最高6日(1週間)の有給休暇を強制的に取らせることができると規定されています。

平時、雇用者は労働者の有給休暇の時期を強制的に決める権限はありませんが、本オルドナンスの適用により、政府の外出制限令により営業活動が減少している企業の雇用者は、労働者に有給休暇を強制的に消化させることにより、後日外出制限が終了して通常の営業活動が再開してから労働者が職場で勤務することを保証することができます。

従って雇用者の決定は、外出制限措置の期間中強制的に有給休暇を取らせることに関する産業間または企業内合意があるのであれば合法で、従う必要があります。

Q :  日本の本社からフランスの子会社に派遣され、2020年3月16日から自宅勤務をしていますが、2020年4月30日に派遣社員としての滞在許可証が切れます。警察署が閉まっていて更新手続ができないのですがどうしたらいいですか。

A :  新型コロナウイルス緊急法の適用により2020年3月25日に採択された"滞在許可に関する書類の有効期限延長に関するオルドナンス"第2020-328号により、滞在許可証の有効期限が3か月延長されました。従って2020年4月30日に有効期限が切れる滞在許可証は2020年7月30日まで有効となり、外出制限措置が終わってから手続を行うことが可能です。

Q : 妻がコロナウイルス陽性と診断されました。私は何の症状も出ていないのですが、雇用者に妻が陽性と診断されたことについて報告しなければなりませんか。またもし報告せずにいた場合には何らかの罰則を受けることがありますか。

A : フランス労働法は、雇用契約の履行にあたる信義誠実の原則を置いています (労働法L 1222-1条) 。また労働者には各自が置かれた状況に応じて、その健康と安全を自ら管理する義務があります (労働法L 4122-1条) 。従って近親者がコロナウイルスに感染して、自分も感染しているリスクがあり、職場に赴いた場合同僚にも感染させるおそれがある以上、雇用者にそのことを報告し、医師による診断を受ける雇用契約上の義務があります。フランスでは感染のリスクに鑑みて医師が労働者に数日間の病欠 (arrêt maladie) を命じる場合には、労働者は病欠期間中給与に代わり社会保障機構から補償金の支払いを受けることができます。

もちろん雇用者は労働者がコロナウイルスに感染しているまたは感染したリスクがあることを理由に解雇を行うことはできません。そのような解雇が行われた場合には解雇は無効となります(労働法L1132-1条)。

一方、労働者が雇用者に自分の感染リスクを報告せずに出勤した場合、雇用契約上の安全管理義務違反を理由に解雇される可能性があり、安全管理義務違反が証明される場合には解雇は正当となります。

また労働者が自分の感染リスクを雇用者に報告せずに出勤した場合、雇用者は刑法223-1で規定されている「他人を危険にさらす罪」(mise en danger d’autrui)で労働者を告訴することもできます。

フランス破棄院の判例上、刑法223-1の罪が成立するためには、ある規則で定められている特別な安全管理義務を違反することにより、他人が死亡するまたは重い障害を負うリスクがあることが証明されることが必要ですが、コロナウイルスの感染力が非常に高いことから、感染した労働者が職場に赴くという安全管理義務の違反と他の労働者に感染させるリスクとの因果関係は証明することができ、同罪が成立すると考えられます。罰則は最高1年の禁錮刑と罰金15 000ユーロです。

Q :  外出制限措置で学校が閉まっているため子供と一緒に家にいなければならず、職場に行くことができません。どうしたらいいですか。

A : 子供のいる女性の多くが働いているフランスでは2020年2月から、外出制限措置で学校が閉まっているために職場に赴くことができない労働者が、社会保障機構から補償金の支払いを受けることができる制度が施行されています ("Covid-19感染リスクのある者に対する健康保険給付に関する2020年1月31日政令"第2020-73号、2020年3月9日政令第2020-227号)

この欠勤補償制度を利用することを希望する労働者は、まず雇用者と自宅勤務の可能性について検討した後、自宅勤務が不可能な場合に、雇用者を通じて社会保障機構に欠勤を申告する手続を行います。

この欠勤補償制度を利用することができる条件は子供が16歳以下であることで、また申告の際に労働者は雇用者に子供の別の親(配偶者またはパートナー)が同じ欠勤補償制度を利用していないことを宣誓する書面を提出する必要があります。16歳以下の子供がいる親の一方が利用することができる制度です。

外出制限措置の期間中家で子供の世話をする親に対して適用されるこの欠勤補償制度は最高2週間まで利用でき、2週間後に継続が必要な場合には、再度申請を行うことができます。
欠勤中社会保障機構から労働者に対して支払われる補償金の額は、過去3か月間の給与額の平均額の50%(ただしベースとなる給与額は最高2 770,96ユーロまで)となっています。

Q : パリで旅行代理店を経営していますが、コロナウイルスによる外出制限で営業を一時停止し、今年夏まで組んでいたツアー全てをキャンセルせざるを得なくなりました。代理店がサービスをキャンセルする場合には顧客が払った代金を全額返還しなければならないという法律の規定があるのですが、そのような措置を取れば会社の経営が困難になってしまいます。どうしたらいいですか。

A :  新型コロナウイルス緊急法の適用により2020年3月25日に採択されたオルドナンス第2020-315では、旅行法211-14条で規定されている旅行代理店の代金返還義務が変更されました。コロナウイルスによる外出制限で予約をキャンセルせざるを得ない場合には、代金の全額を顧客に返還する代わりに、同等のサービスを提案したりまたは18か月有効のギフトカードを発行することができます。

また金融機関に国の保証を与える2020年3月23日の経済省省令で、新型コロナウイルスの感染拡大で経済的な影響を受ける企業に対して、国が保証人となる銀行貸付の制度が制定されました。民間銀行で2020年3月25日から実施されていますが、企業はこの貸付制度を利用して3か月分の売上高に相当する資金を調達することが可能となっています。

Q : 今年1月に採用候補者に雇用を約束する書簡を送ったのですが、新型コロナウイルスの影響を受けて事業活動が縮小したことを理由に、雇用の約束を取り消せますか。

A : 採用候補者に雇用する役職、報酬額、労働時間、勤務開始日を明記した書簡は« promesse d’embauche »(雇用誓約書)と呼ばれ、雇用契約の申込の法的効果を持ち、採用候補者がそれを受諾する旨を表明した場合には、雇用契約が成立します。

フランス法では、雇用契約は、契約法の一般原則に従い、申し込みと承諾の合致により成立します。
従って雇用誓約書を送った採用候補者がすでに承諾の意思を表明している場合には、雇用契約がすでに成立しており、後日雇用の約束を取り消すためには、法律で定められた手続に従って解雇手続を取る必要があります。

一方的に雇用誓約を取り消す場合には不当解雇として解雇補償金に加えて労働者が受けた損害の賠償が裁判所から命じられうるため、一方的に雇用誓約を取り消すのではなく、労働者と話し合いの後、示談の手続を取るのが妥当です。

Q :  新型コロナウイルスの影響を理由に、試用期間中の労働者を辞めさせることはできますか。

A : 試用期間は「雇用者と労働者がそれぞれ職務の適格性を評価判断する期間」(フランス労働法第L 1221-20条)で、雇用者は試用期間中の労働者が与えられた職務に必要な能力や適性がないと判断する場合には、解雇の手続を取らずに辞めさせることができます。

試用期間中に雇用契約を解除する場合には、労働者の勤務期間の長さに応じて法律で定められている予告期間を守る必要があります(フランス労働法L 1221-25条)。雇用者が予告期間を守らないで労働者を辞めさせた場合には、労働者は予告期間中に支払われたはずの給与に相当する賠償金の支払いを請求することができます。

試用期間中に雇用契約を解除する場合、理由を正当化する必要はありませんが、試用期間が労働者の能力を評価するためのものであるため、理由は労働者の能力に関係するものである必要があります。

新型コロナウイルスの影響を理由に試用期間中の労働者を辞めさせると、労働者の能力とは関係ない理由による雇用契約の解除となり、濫用的な解雇として損害賠償の支払いが裁判所により命じられることがあります(破棄院社会部、2007年11月20日判決)。

Q :  新型コロナウイルスの影響で売上減少が見込まれるため、正規採用は見送り、有期労働者の契約を延長しようと思っています。有期雇用契約の更新は可能ですか。

A : 通常、フランス労働法上有期雇用契約 (CDD)の更新は2度までに制限されていますが、新型コロナウイルスへ対策措置の一環で制定された2020年6月17日法で、有期雇用契約の最大更新回数を企業内合意(:労働者・労働組合の代表者と雇用者との交渉の後定められる合意書) で定めることができるようになっています(第41条) 。

同法の規定は2020年12月31日まで適用されるため、企業内合意で有期雇用契約の最大更新回数を増やし、有期雇用労働者の契約を更新することが可能です。

Q : 外出禁止令で5月31日までに取らなければいけなかった有給を取ることができなかったのですが、今年の夏に振り替えることはできますか。

A : フランスでは有給休暇の算定は毎年6月1日から翌年5月31日までの期間でされます。2018年6月1日から2019年5月31日までの勤務に相当する有給休暇は2020年5月31日までに取る必要があり、労働者が有給を雇用者に申請しない場合には、当事者間の合意または企業内の慣習で有給の振り替えが認められている場合を除き、権利を失います。

ただし雇用者の事情、例えば外出禁止令で会社が閉まっていたため労働者が有給を申請できなかったような場合には、雇用者は労働者に対して有給の付与日数に対応する給与を、有給休暇代替補償金(indemnité compensatrice de congés payés)として支払う義務があります。

Q : 外出禁止令が出る前に、社員との合意による雇用契約の解除 (rupture conventionnelle)を行い、合意書を労働局に送ったのですが、まだ回答がありません。いつまで解除の認可を待たなければなりませんか。

A :  2020年3月25日のオルドナンス(政府立法)第2020-306号では、2020年3月12日から2020年6月24日までの間に終了する全ての法定手続期限を中断する規定が定められましたが、労働・雇用の分野では2020年4月24日の政令によりその適用が除外されています。

2020年4月24日の政令が施行されたのはその公布の翌日、すなわち2020年4月27日ですので、労働局による雇用契約解除の合意書の認可期限 (合意書の受領から15日、フランス労働法L 1237-14条) は同日から再度経過しています。

例えば2020年3月1日に労働局に雇用契約解除の合意書を送った場合、労働局の15日の認可期限は2020年3月12日に一旦停止し、2020年4月27日から再度経過していることになりますので、2020年5月1日に書面の回答がない場合には、労働法L 1237-14条の規定に従って、労働局の暗黙の認可が成立していることになります。

 

経済的理由による解雇(整理解雇)

Q :  新型コロナウイルスの感染拡大で顧客の受注が大きく減ったため、一部社内の役職を廃止せざるを得なくなりました。当該役職についていた労働者を経済的理由で解雇することは可能ですか。

A : フランス労働法では、顧客の受注の減少を経済的理由による解雇の事由とする場合、以下の条件を満たすことが必要とされています (労働法L1233-3条):
1) 11人未満の労働者を雇用する企業:前年度の受注数と比較して1四半期における減少
2) 11人以上50人未満の労働者を雇用する企業:前年度の受注数と比較して2四半期における減少
3) 50人以上300人未満の労働者を雇用する企業:前年度の受注数と比較して3四半期における減少
4) 300人以上の労働者を雇用する企業:前年度の受注数と比較して4四半期における減少

解雇の事前面談を労働者と行う際に、この経済的理由を具体的に労働者に口頭で説明し、かつ数字のデーターを入れた書面での説明書を手渡しすることが必要となります。

Q : 日本の本社の100%フランス子会社で、経済的理由による解雇をする際に気を付ける点は何ですか。

A : フランスでは経済的解雇に先立って雇用者が労働者を企業内の別のポストで雇用する(配転)努力をすることが法律で義務づけられています。従って解雇に先立って解雇される労働者を別のポストで雇用する努力をしたができなかったことを証明する必要があり、このことを雇用者が証明できないと、たとえ経済的理由が真のものであっても、裁判所により解雇は不当解雇と見なされます(訴訟における立証義務は雇用者にあります)。

配転の努力の証拠となる書類は労働者に対して企業の別のポストで雇用することを提案した書面(メールや書簡)と、それに対する労働者の回答書面となります。かつて海外に本社のあるグループ企業の場合には、フランス支店の雇用者は労働者に対してフランスだけでなく海外の全ての可能なポストを提案する義務がありましたが(労働法旧L1233-4-1条)、2017年9月の労働法改正以降、グループ企業の場合にはフランスにある営業所で可能なポストのみ提案すればいいことになっています。従って現在フランス支店で整理解雇する労働者にそぐうポストを日本本社や別の国の支店で探す義務はありません。

 

解雇賠償金(« Macron法 »)

Q : « Macron法 »で定められた解雇賠償金の基準で最高額の解雇補償金を支払って社員を解雇したところ、不当解雇で訴えられ、労働裁判所から補足の解雇補償金を社員に支払うよう命じられました。控訴した方がいいですか。

A : « Macron法 » (労働法の改正に関する2017年9月22日の5つのオルドナンス)で定められた解雇賠償金の基準(労働法L1235-3条)については、労働事件のいくつかの下級裁判所が、同基準が国際条約で保護される労働者の権利の原則に反するという理由で適用を拒否する判決を下したため、破棄院に解釈が求められましたが、2019年7月17日に破棄院大法廷は、同条により定められた不当解雇賠償金の基準は1982年の雇用終了に関するILO条約(第158号)第10条の規定に反しないため有効とする決定を下しています。

下級裁判所が« Macron法 »の基準の適用を拒否した根拠は、裁判官はそれぞれの事案を審査して労働者が受けた損害が« Macron法 »で定められた賠償金の最高額よりも大きいと判断する場合にはそれ以上の賠償を雇用者に命じることができるというもので(例えばグルノーブル労働審判所2019年7月22日判決、トロワ労働審判所2019年7月29日判決)、いくつかの控訴審裁判所もその後、裁判所は労働法L1235-3条で定められた解雇賠償金の額が、労働者の個人的な状況と適合しているかを審査する権限があるという判決を下していますが(ランス控訴院2019年9月22日判決、パリ控訴院2019年9月18日判決)、一番新しいパリ控訴院の判決(2019年10月30日判決)では、破棄院の2019年7月17日決定に従って、裁判官は労働法L1235-3条で定められた解雇賠償金の最低額と最高額の間でしか賠償金の額を決定する権限がないと判示されています。

従って裁判所は解雇賠償金の基準で最高額の解雇補償金を支払った雇用者にそれ以上の解雇補償金の支払いを命じることはできないことになります。