フランス商法:継続的取引関係の終了を予告期間なしに行う条件-不可抗力の定義

破棄院商事部、2026年6月24日判決、事件番号24-21.626、MGS Sales & Marketing v. Stanley Black & Decker France

商法L442-1 II 条(旧L442-6, I, 5°条)は、「制作、販売、またはサービス提供の活動を行う者が、商慣行または業界協定に照らして妥当な期間を定めた書面での予告を行わずに終了させる者は、たとえその終了が取引の一部に関するものであってもそれにより損害を受けた者に対して賠償責任を負う」と規定している。本規定は強行法規であり、本規定の適用を制限または排除する契約の条項はすべて無効となる。

2019年4月24日の政令第2019-359号以降、この継続的取引関係の終了における不十分な予告期間の場合の賠償責任には上限が定められ、商法は同条で「予告期間について当事者間で紛争が生じた場合、契約を解除した当事者が18か月の通知期間を遵守していた限り、相手方は予告期間が不十分であることを理由に損害賠償を請求することはできない」と規定している。

同じ政令ではまた、旧L442-6, I, 5°条で規定されていた、プライベートブランド商品に関する継続的取引契約の終了において予告期間を2倍にする規定が削除された。

商法L442-1 II 条は4項で、「本第II項の規定は、相手方がその義務を履行しなかった場合、または不可抗力が生じた場合における、予告なしの取引関係終了の権利を妨げるものではない」と規定している。

契約義務不履行について、判例では、予告期間を置かない継続的取引関係の終了を正当化するためには、度重なる代金の支払遅滞(=>記事を読む)や契約の本質的な義務の違反など、取引関係の継続が不可能になるほどの重大な契約不履行(過失)がある場合に限られるとされている。

不可抗力については、Stanley Black & Deckerのフランス子会社とそのマーケティングパートナーとの取引関係終了に関する破棄院の2026年6月24日の判決で、当事者は契約書に定められた不可抗力に関する条項を根拠に予告期間を置かない継続的取引関係の終了を行うことができないことが確認された。

本判決の事案は以下の通りである。

2015年、Stanley Black & Decker社は、MGS Sales & Marketing社と、自社製品の販売促進を委託する複数の契約を締結した。

両社の間で締結されたサービス提供契約中の「不可抗力」に関する条項では、不可抗力により30日を超えて契約の履行が一時停止された場合、契約を履行できない当事者は予告期間を置かずに、無償で契約を解除できることが規定されていた。

2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を理由とするロックダウン措置が取られると、Stanley社はサービス提供契約中の「不可抗力」に関する条項を根拠に契約の履行の一時停止をMGS社に対して通知し、30日の期間が経過後、契約解除を通知した。

MGS社はStanley社に対して継続的取引の突然の終了、その他の法律根拠をもとに損害賠償請求を行う訴訟をパリ商事裁判所で提起した。

2021年11月8日の判決でパリ商事裁判所は、サービス提供契約中の「不可抗力」に関する条項はロックダウン措置の場合に適用され、Stanley社は法定の予告期間を遵守する義務が免除されると判断した上で、継続的取引の終了は突然であったとしてStanley社に対して、MGS社に2ヶ月分の予告期間に相当する61,092ユーロを支払うよう命じた。

売上高の35.77%がStanley社との取引で占めていたMGS社は、裁判所が認めた損害賠償額が低すぎると判断し、この判決に対して控訴した。

パリ控訴院は2024年10月2日の判決で、第一審判決と同じくサービス提供契約中の「不可抗力」に関する条項はロックダウン措置の場合に適用されると判断した上で、第一審判決よりもよりMGS社に不利な解釈をし、「不可抗力」に関する条項で、不可抗力により30日を超えて契約の履行が一時停止された場合、契約を履行できない当事者は予告期間を置かずに、無償で契約を解除できることが規定されている以上、Stanley社はMGS社に賠償する義務はないと判断し、MGS社の請求を全面的に棄却してMGS社に2ヶ月分の予告期間に相当する61,092ユーロを支払うよう命じた第一審判決を取り消した。

MGS社は本判決に対し破棄院の下で上告を行った。

MGS社の弁護士が破棄院に提示した上告理由は以下の通りである:

– 商法L442-1 II条4項で、予告期間なしの取引関係終了を可能にする不可抗力は、民法1218で定められた不可抗力の条件を満たすものでなければならず、同条では契約を一方的に解除するためには不可抗力によって契約義務の履行が恒常的に不可能になったことが必要とされている。
– Stanley社とMGS社の間で交わされた契約中の不可抗力に関する条項は単に30日を超えて契約の履行が一時停止された場合に契約を一方的に解除することを認めるものであり、民法1218条で定められた不可抗力の条件を満たさない。
– 従ってこの条項を根拠としてStanley社による一方的な契約解除と予告期間なしの取引関係終了を認めた控訴院の判決は商法L442-1 II条と民法1218条の規定に違反しており、取り消されるべきである。

破棄院は2026年6月24日の判決で、以下の理由を根拠にMGS社の請求を認め、控訴院判決を破棄してパリ控訴院の別の院に差し戻した。

– 商法第L 442-1条II項の規定は強行法規であるため、契約中の不可抗力に関する条項はそのまま適用されない。
– 裁判官は契約の履行を不可能にする外部的事象が商法L442-1 II条4項で予告期間なしの取引関係終了を可能にする不可抗力に当たるか否かを判断するにあたり、その外部的事象が民法1218条で定められた不可抗力の条件を満たしているかどうかを検証する義務がある。
– 本件では控訴院はこの検証義務を怠り、特に民法1218条で定められた契約義務の履行が恒常的に不可能になるという条件が本件で満たされていたかを確認しなかった。
– 従って控訴院判決はこの点商法L442-1 II条と民法1218条の規定に違反しており、取り消されるべきである。

本判決により、不可抗力を理由に予告期間なしの継続的取引関係終了を行うためには、民法1218条で定められている通り、その不可抗力により契約義務の履行が恒常的に不可能になったことを証明することが必要であるという原則が打ち出された。