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フランス知的財産権法の判例 

不当競業の損害賠償請求を知的財産権侵害訴訟の中で行う場合に請求が認められる条件

(破棄院商事部2010年3月23日、上告番号09-65844, Sté Land c/ Chanel, 上告番号09-66987, Sté Marm c/ Chanel, 上告番号09-66522, Sté Béry c/ Chanel)

フランスでは著作権に関する事件の管轄権は被告の居住地、または損害が生じた場所の大審裁判所、又は侵害者が商人の場合には商事裁判所が、商標、意匠権に関する事件は被告の居住地、または損害が生じた場所の大審裁判所、そして特許権に関する事件は2009年11月よりパリ大審裁判所 のみが管轄権を有する。

知的所有権侵害がまた同時に競争相手企業による不当競業を構成する場合には、不当競業に基づく損害賠償の請求を知的所有権侵害訴訟と同じ訴訟の中で、同じ訴状の中で提起することができる。ただし知的財産権侵害訴訟と不当競業訴訟の目的がそれぞれ一方は知的所有権の保護及びその侵害の制裁、他方は事業者間の公正な競争の確保と不当な競争の制裁と異なっているため、この二つの法的根拠における権利者の請求はそれぞれ別の過失要素に基づく必要がある。

実務上は、フランス法の不当競業は民法の不法行為(民法第1382条、1383条)の枠内で制裁されるため、過失、損害及び過失と損害の間の因果関係を証明する中で、知的所有権の侵害そのものではない別の過失を証明することになる。

これは知的財産権侵害が認められない場合に同一の事実が不当競業として認められるのを防ぐために判例で定められた条件であるが、このため不当競業訴訟の根拠となる被告の過失は単なる権利侵害の事実を提示するだけでは足りず、被告が模倣品を作ったことで権利者の商品の製造、販売等のための出資にただ乗りした、権利者の著名なブランドを無断で使用することで顧客を横領したなどの事実を、そうした事実により原告の売上高が低下したことの具体的な証拠も含めて証明することが必要となる。

本件では、シャネル社の販売代理店であったGaleries Rémoises社が倒産し、清算のための破産手続の中で在庫のシャネル商品が競売されたところ、競売されたシャネル商品を購入したLand社、Marm社、Béry社がシャネル社に無断でシャネル製品の販売の大衆的な広告を行い、工業地帯の中にある倉庫の中で、安値で転売したため、事実を知ったシャネル社が同3社を相手取って商標権侵害、及び不当競業で訴えたものである。シャンベリー控訴院、アジャン控訴院、レンヌ控訴院はそれぞれLand社、Marm社、Béry社によるこのような条件化におけるシャネル製品の販売行為はシャネル社のブランドイメージを傷つけるとして商標侵害、不当競業が成立するとし、Land社、Marm社、Béry社に対してシャネル社への損害賠償の支払を命じたが、上告を受けた破棄院は2010年3月23日、シャネル社が不当競業に基づく損害賠償請求において同3社の行為がシャネル商標のイメージを傷つける以外の理由を挙げていなかったとして、不当競業に基づく損害賠償請求を退け、原判決を破棄する判決を下した。